JSPS男女共同参画推進アドバイザーからのメッセージ
安中さやか先生

海洋研究開発機構 副主任研究員/東北大学 准教授
安中さやか
 先生

【研究内容】
海洋環境科学

【研究概要】
観測データを統計解析して、広域的な海洋環境の変動を明らかにすること

【趣味・特技等】
学生の頃からフラフラすることが好きだったので、ほぼすべての都道府県に関して、思い出話をすることができます。

研究者の端くれとしての私が思うこと

 諸外国から比べれば格段に遅れているかもしれませんが、日本の女性研究者の数も増えつつあります。でも、周りを見渡すと、自分の参考にならないすごい人しかいないと感じることがあるかもしれません。私もそんな一人でしたが、ある時、学会の先輩であるIさんに、「安中さん、スーパーウーマンしかいなかったら、いつまでも女性研究者は増えないんだよ。普通の人が普通に残っていけることを示すのが大事なんだよ。」と言われ、妙に納得しました。以下、こんな人もいるのかと思っていただければ幸いです。
 私は、明確な将来の目標があった訳でもなく、その時その場の興味で進路を決めてきました。学位を取った後も、たまたま公募が出ていたからのような成り行き任せで職を探してきました。出て行くきっかけがなかったがために、今でも研究者を続けているのかなと思っているくらいです。志が低くて、申し訳ないです。もちろん、研究職が嫌な訳ではありません。個人の裁量権が大きく、自分の名前で世界の人とつながれることは、大きな魅力と思っています。
 一方、何も考えていなかったからこそ、怖いもの知らずで、自分が思うがままの生活をしてこれたのかなとも思っています。出産のために休学したり、誰よりも早く帰宅したり、別居生活を強いたり。そして、そんな思うがままの生活を許してくれた先生、上司、仲間や家族に恵まれたのだと思います。
 順風漫歩に見える大御所の先生方も、節目節目では、いろいろ悩むこともあったと聞きます。振り返ってみた時、すべては、いい経験だったと言えるよう、その時その場で、できることをできる範囲で頑張るしかないと思っています。そして、旧姓使用、学振特別研究員の中断制度、学振RPDなど、諸先輩方の勝ち取ってきた制度を利用させてもらえたからこそ、今があります。少しずつでも恩返ししていかなければと思っています。

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