京都産業大学の取組
ダイバーシティ推進施策の概要
京都産業大学は、2014年度に女性研究者研究活動支援事業の採択を受け、ダイバーシティ推進委員会を設置、2017年度にはダイバーシティ推進室を恒常組織とし、男女共同参画を推進してきました。2020年度には「京都産業大学におけるSOGI(性的指向および性自認)の多様性に関する基本理念」を制定するなど、取組を着実に展開してきました。
学長室内に設けられていたダイバーシティ推進室は、2024年度からは、 DE&I推進室として独立し、学生・教職員が安心して語らい、学び、働くことのできる環境づくりや、そのための意識・文化の醸成に向けてDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に取組む組織として活動しています。
2024年度には、本学初の女性学長である在間敬子学長が、DE&I推進の重要性を学内外に発信しました。創立60周年(2025年度)には、教育と研究において浸透すべき5つの柱の一つにDE&Iの推進と、それによって誰もが安心して学び活動できる環境を整えることを打ち出しました。2015年に発表した中期事業計画「神山STYLE2030」では、2030年までの15年間を「改革期」「発展期」「充実期」の3期に分けて大学改革を推進しています。2026年度から始まった「充実期」においてもDE&Iは重点的な項目の一つとして取り上げています。
多様性のある組織を作るための先進的な取組み
部局長全員参加のオープンセッションによりPDCAサイクルを回す
本学では、男女共同参画の取組をさらに発展させ、DE&Iを柱とした施策を推進するために、「京都産業大学DE&I推進宣言」を表明しています。
これらの施策を、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルによってより実効的なものとするために、部局長による横断的なオープンセッションを開催しています。セッションでは、「DE&I推進宣言」に盛り込まれた4つの柱(「ジェンダー平等の実現」「インクルージョンの推進」「コミュニティづくり」「サポート体制の強化」)を実現するための各年度の具体的な取組実績と課題を学部等で取りまとめ、意見交換を行っています。組織運営や意思決定におけるジェンダーバランス、ライフイベント期のサポート、留学生・外国人教員へのサポート、メンタルヘルス支援など、各部局内での取組とそこから見えてきた課題を、部局横断的に討議し、課題解決に向けて具体的な解決案を出し、次年度の取組に生かすことなどを確認しています。
ライフイベント支援制度の対象をすべての専任教育職員へ拡大
本学では、研究と出産、育児、介護等との両立を支援し、研究者がライフイベント期においても研究活動を継続できるよう研究支援員配置制度を実施しています。
女性研究者支援の目的から、研究支援員の配置を開始した当初は、支援の対象を「本学の女性専任教育職員、または、配偶者が研究職にある本学の男性専任教育職員」としていましたが、2026年度からは「すべての専任教育職員」へと対象範囲を拡大しました。
さらに育児を理由とした支援の場合は、「小学校6年生以下」対象から「中学校3年生以下」に拡大しました。また、介護を理由とした支援申請の場合も、「要介護度1以上」対象から「要支援1以上」とするなど、より研究活動に専念できる環境づくりを行っています。
専任教員公募文言を逆差別感を生まないものに変更
また、男女共同参画社会基本法の精神に則って、専任教員公募においては、「業績および資格にかかわる評価において同等と認められる場合には女性を優先的に採用します」と明記していましたが、2026年度以降の公募では「業績および資格に関する評価に際し、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の排除に努め、とりわけ女性研究者が性別に起因する不利益を受けることのないよう、慎重かつ公正な評価を行います」と改め、同法の精神を実現しつつ、逆差別感を生まないようにするための実践的な取組のひとつとして行っています。
イベント開催と交流のためのコミュニティスペースを開設
さらに、学生・教職員が、安心して交流し、学び合うことのできるコミュニティスペースとして「リビング」を開設しています。そこでは、DE&Iに関連する書籍を整え、情報交換可能なスペースとして、あるいは、DE&Iに関連するイベントスペースとして活用しています。イベントなどがない時には、ゆっくりできる場所としても提供しています。
大学構成員すべてを対象としたDE&I推進セミナーを開催
毎年、教職員および学生を対象としたDE&I推進セミナーを開催し、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンに関連する講演や意見交換が横断的に行える機会を提供しています。DE&I関連の情報のアップデートを図り、個人としてできることや組織として行うべきことなどを考え、実行するための機会として活用されています。
DE&Iを主題とするオムニバス授業「ジェンダー平等と多様性」を開講
2026年度から、DE&I推進室では、オムニバス形式の授業「ジェンダー平等と多様性」を開講しています。800人以上が受講を希望したこの講義では、ジェンダー平等に加え、性別、性的指向、性自認、年齢、民族、国籍、宗教、言語、価値観、信条、出身、地位、障害の有無、健康状態、家族関係、家族形成、子育て、看護、介護など、多様な背景や状況をもつ一人ひとりが尊重される社会の実現をテーマとしています。本学教員がそれぞれの専門分野の視点から講義を担当するとともに、一部の回では各分野で専門的な知見や実践経験を有するゲストスピーカーを招いています。学生は、多角的な視点からDE&Iに関する理解を深めるとともに、多様性や包摂性に関する課題を自分自身の身近な問題として捉え、考える機会を得ています。
