長岡工業高等専門学校の取組
長岡工業高等専門学校におけるダイバーシティ推進の取組
女子中学生から未来の研究者・教育者へ
ダイバーシティ推進施策の概要
長岡工業高等専門学校(以下、長岡高専)では、「女子中学生から未来の研究者・教育者へ」をキーワードに、多様な人材が学び、活躍し続けられる環境づくりを推進しています。ダイバーシティ推進室を中心として、理工系分野への進路選択支援、教育・研究活動とライフイベントとの両立支援、多様性を尊重する組織風土の醸成に取り組んでいます。
女子中学生への支援では、女子学生による自主的な活動組織「ナガオカエンジニアガールズラボ」や女子中学生向け情報発信サイト「高専ガールズ」を通じて、高専での学びや研究の魅力を発信しています。さらに、高専GCONへの挑戦支援や高専教員体験会の実施により、学生や若手研究者が将来の研究者・教育者として成長する機会を提供しています。これらの取組の結果、女子入学者比率は平成26年度の14.4%から令和8年度入試では24.5%へ増加しており、多様性を力に変える高専づくりを着実に推進しています(図1)。
また、教職員に対しては、研究補助員配置支援や復帰復職研究者支援を通じて、育児や介護等のライフイベントと研究活動との両立を支援しています。加えて、ダイバーシティや男女共同参画に関する講演会、FD研修、教職員懇談会、関連図書の整備などを継続的に実施し、多様な学生・教職員を支える教育研究環境の充実を図っています。
図1 長岡高専における女子志願者・入学者比率の推移女性研究者等への支援制度の紹介
高専教員体験会
本校では、大学院生や企業等で活躍する研究者・技術者を対象に、高専教員というキャリアの魅力や仕事内容を紹介する「高専教員体験会」を実施しています。 体験会では、授業見学や研究活動の紹介、模擬授業の実施、教員との意見交換等を通じて、高専における教育・研究活動について理解を深める機会を提供しています(図2)。毎年5名程度が参加しており、高専教員という進路の周知や将来の教育研究人材の確保につながる取組として継続しています。これまでに2名の参加者が、長岡高専の専門学科教員として着任した実績があります。
(a)高専のしくみや本校の特色ある教育カリキュラムの紹介
(b)1年生を対象とした模擬授業(テーマ例:研究の魅力について)
高専GCONへの挑戦支援
本校では、高専GCON(高専女子学生によるSDGsの視点で社会課題解決の技術開発を提案するコンテスト)への参加を支援しています。 毎年2~3チームの女子学生グループが参加し、専門分野で培った知識や技術を活用しながら、社会課題の解決につながる提案に取り組んでいます。活動を通じて、課題発見力や企画力、プレゼンテーション能力などを養う機会となっています(図3)。

ライフイベント支援・復帰復職研究者支援制度の紹介
女性研究者等が研究活動を行いやすい環境の整備と研究力強化を目的として、国立高等専門学校機構では「女性研究者等キャリア支援事業」を実施しています。本校では、当該事業の対象者よりも範囲を広げた独自の支援制度を設けています。
研究補助員配置支援
育児や介護等と研究活動との両立を支援するため、研究補助員配置支援を実施しています。
対象は、小学校6年生以下の子どもを養育する教職員、妊娠中の教職員、家族の介護等を担う教職員であり、研究補助員を配置することによって研究活動の継続を支援しています(図4)。
令和5年度に3件、令和6年度に2件、令和7年度に2件の採択実績があり、研究活動の継続を支える制度として活用されています。
復帰復職研究者支援
育児休業や介護等により研究活動が中断した教職員を対象に、研究活動の再開を支援する「復帰復職研究者支援」を実施しています。 研究活動の再開には研究環境の再整備や研究計画の再構築が必要となることから、本制度では研究費支援等を通じて研究復帰を後押ししています。令和5年度および令和7年度に採択実績があります。
多様性のある組織をつくるための取組
本校では、学生および教職員を対象に、ダイバーシティや男女共同参画に関する講演会や研修を継続的に実施しています。
教職員向けには、障害や疾病のある学生への対応や合理的配慮に関するFD研修等を実施し、多様な学生を支える教育環境の充実に取り組んでいます。また、教職員相互の働き方への理解を深め、より働きやすい職場環境の実現につなげる取組の一環として、教職員懇談会を実施しています(図5)。
学生向けには、男女共同参画やダイバーシティをテーマとした講演会を開催し、多様な価値観や立場への理解を深める機会を提供しています(図6)。
さらに、図書館にはダイバーシティ関連図書を整備し、学生や教職員が自主的に学ぶことのできる環境の充実を図っています。
図5 教職員懇談会の様子(テーマ例:働き方改革の実態共有)
図6 第3学年合同特別活動における男女共同参画に関する講演会
女子中学生への理工系進路支援
本校では、女子学生による自主的な活動組織「ナガオカエンジニアガールズラボ」を令和5年度に発足しました。
本活動では、オープンキャンパスや学園祭等において女子学生が主体となり、高専での学びや学生生活を紹介しています。実際に高専で学ぶ学生自身が情報発信を行うことで、女子中学生や保護者が理工系進路を具体的にイメージする機会となっています(図7)。
(a)オープンキャンパスでの女子学生による相談会の様子
(b)学園祭での女子学生によるモノづくり教室の様子
また、本校では女子中学生向け情報発信サイト「高専ガールズ」を運営しています。同サイトでは、本校の学科紹介、女子学生の声、イベント情報等を掲載し、理工系分野への進学を考える女子中学生に向けて情報発信を行っています。女子学生とダイバーシティ推進室が中心となって制作・運営していることも特徴の一つです(図8)。

ダイバーシティ推進室Webサイトの紹介
支援制度やイベント情報、活動報告等をホームページで公開しています。教職員向け支援制度や各種講演会の案内なども掲載し、学内外への情報発信を行っています。
