「ドイツでの産休・育休取得や子育て」の意見交換会に参加して
小島 智子(フランクフルト大学教育学部 ドイツ研究振興協会 (DFG)研究員)
2023年9月23日、ドイツのケルン日本文化会館にて、JSPSボン研究連絡センター主催のドイツ研究者ネットワーク交流会が開催されました。異分野交流セッションでは、ドイツでの出産・子育てについて意見交換する場が設けられ、女性4名、男性3名の参加者の間で非常にオープンな意見交換がなされました。参加の若手女性研究者のほとんどは、どのタイミングで妊娠、出産という段階に踏み切るべきか、という共通の悩みを抱えていたのに対し、実際にドイツで出産に立ち会い、夫婦で幼児子育て真っ最中という男性参加者の方々からは、日常の実践から研究との両立についてまで、体験談を伺うことができました。
<参加者からの意見>
制度・環境はそれなりに整っているドイツ。託児所など保育施設に関しても、求めれば確保できる状況にあるのは確かです。身近に親戚がいない外国にいて、そのような制度を利用しつつ、その際、いかにパートナーと共に育児を分担・調整できるかが、研究生活との両立の鍵となってくるといえそうです。
翻って、子育ての実践面においては、例えば、子どもを連れて訪れる公園でいつも会う現地のお父さんと知り合いになった、という方がいたり、男性研究者の子育てへの意欲がひしひしと感じられ、またその意欲が比較的満たされている状況にある印象を受けました。1日の仕事を午後6時過ぎにはきっかり終えて家に帰る傾向のあるドイツ人に合わせ、ドイツでは家族との時間がしっかり持てているとのこと。日本に比べたら断然仕事との両立がしやすい、ということを、自分の経験も踏まえて実感した意見交換会でした。