女性研究者の出産に伴うキャリア継続支援事業 申請要領

1. 趣旨

 我が国として学術の振興を図るためには、女性研究者を含めた多様な人材が研究者としてのキャリアを安心して継続できる環境の整備が必要となります。
 このため、独立行政法人日本学術振興会(以下「本会」という)では男女共同参画推進の取り組みの一環として、「女性研究者の出産に伴うキャリア継続支援事業」(以下「キャリア継続支援事業」という)を開始します。女性研究者の妊娠中及び出産後の健康の確保のため、当該期間において、対象事業の採用中断期間中に支援助成金を措置することで、安心して研究者としてのキャリアを継続できるよう、女性研究者の出産時に「女性研究者の出産に伴うキャリア継続支援金」(以下「キャリア継続支援金」という)を支給します。

2. 支給対象者

次の全ての要件を満たす者とします。

① 以下のいずれかの事業に令和4年4月1日以降に採用されている女性研究者のうち、採用期間中に出産を理由として採用の中断を行う者。※

・特別研究員(DC、PD、RPD、SPD、CPD)
・海外特別研究員(一般、RRA)

② 妊娠4ヶ月目(85⽇)以降の出産を行う者(妊娠4ヶ⽉目(85⽇)以降の出産だけでなく、流産・死産・⼈⼯妊娠中絶などであっても支給の対象となります。85⽇未満の流産などに対しては給付されません。)

③ 4.の「支給対象期間」について、健康保険組合(組合健保)、全国健康保険協会(協会けんぽ)、共済組合、船員保険から支払われる出産手当金または給与等を受け取らない者。なお、支給対象期間にキャリア継続支援金よりも少額の出産手当金または給与等を受給している場合は、キャリア継続支援金と受給金額の差額を支給いたします。

※ 令和4年度においては、4.のキャリア継続支援事業の支給対象期間が令和4年4月1日以降に一部でも重なっており、かつ出産日から3ヶ月以内の支給対象者について、キャリア継続支援事業の申請を可能とします。
 また、暫定措置として、令和5年1月1日より前にご出産の支給対象者は提出期限を出産日から3ヶ月以内ではなく、令和5年3月31日までとします。令和5年1月1日以降にご出産の支給対象者については出産日より3ヶ月以内に申請書類をご提出ください。

3. 申請受け付け開始

 令和5年1月より申請受け付けを開始いたします。2.の支給対象者におかれては申請期限までに申請書類をご提出ください。

4. 支給対象期間・支給額

 以下の(1)から(3)の重複する期間(以下、「支給対象期間」という)について、キャリア継続支援金として一日あたり10,000円を2.の支給対象者に支給します。

(1) 産前6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)及び出産後8週間の期間
(2) 特別研究員事業・海外特別研究員事業において承認された、出産を理由とする採用中断期間等(※1研究再開準備支援期間は除く)
(3) 特別研究員・海外特別研究員としての採用期間

・イメージ図(支給対象期間)

(支給例1)特別研究員採用後に出産
支給対象期間
太線枠内((1)黒線と(2)青線と(3)緑線の重複部分)が支給対象期間になります。

(支給例2)特別研究員採用直後に出産 支給対象期間
太線枠内((1)黒線と(2)青線と(3)緑線の重複部分)が支給対象期間になります。

※1 研究再開準備支援期間とは、特別研究員事業において、出産・育児により研究に十分な時間を割けない者等を対象に、中断期間内において、短時間の研究継続を支援する制度になります。詳細は以下の「日本学術振興会特別研究員遵守事項および諸手続の手引」をご覧下さい。

日本学術振興会特別研究員遵守事項および諸手続の手引(令和4年度版)
https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_tebiki.html
(毎年度改訂されるため、最新版の手引を参照して下さい)

・支給額

一日あたりの金額(10,000円)に、支給対象期間の日数を乗じた額

・支給額の計算例(特別研究員-PDの場合)

【令和4年8月1日出産】
① 産前6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)及び出産後8週間の期間
・産前6週間
 令和4(2022)年6月21日~令和4(2022)年8月1日
・出産後8週間
 令和4(2022)年8月2日~令和4(2022)年9月26日
② 出産を理由とする実際の採用中断期間(※1研究再開準備支援期間は除く)
 令和4(2022)年6月1日~令和5(2022)年5月31日
③ 特別研究員-PDとしての採用期間
 令和3(2021)年4月1日~令和7(2025)年3月31日

【支給額】
① の全ての期間が支給対象期間となるため、支給対象期間は98日間
→【支給金額】10,000円×98日=980,000円

5. 申請手続き

 キャリア継続支援金の申請は、「女性研究者の出産に伴うキャリア継続支援事業申請システム」(以下「申請システム」という)を通じて受け付けます。(申請書の郵送による提出は受け付けません。)申請システムについては、本会の男女共同参画推進ウェブサイト「JSPS CHEERS!」の「JSPSの支援制度」(https://cheers.jsps.go.jp/support/)をご確認ください。

・申請者は、下記①、②の書類を申請システムより提出してください。申請書の作成にあたっては、必ず本公募要領を熟読してください。

・以下の提出書類(下記①②全て)を出産日から3ヶ月以内(※3)にご提出ください。

① 女性研究者の出産に伴うキャリア継続支援金支給申請書
② 出産日等を証明する書類(写し可)

・母子手帳の表紙および出産日のわかる部分の写し、出生証明書の写し(多児妊娠の場合は人数分)、死産の場合は死産証明書又は「全部事項証明書(戸籍謄本)」の写しのいずれか

※3 令和4年度においては、4.のキャリア継続支援事業の支給対象期間が令和4年4月1日以降に一部でも重なっており、かつ出産日から3ヶ月以内の支給対象者について、申請を可能とします。
 また、暫定措置として、令和5年1月1日より前にご出産の支給対象者は提出期限を出産日から3ヶ月以内ではなく、令和5年3月31日までとします。令和5年1月1日以降にご出産の支給対象者については出産日より3ヶ月以内に申請書類をご提出ください。(再掲)

6. 支援決定以降の手続き

① キャリア継続支援金の支給は以下の通り本会での申請書の確認手続きが完了次第実施します。

 1) 申請システムによる申請書等の本会への提出をもって申請を受け付けます。
 2) 申請書等の内容を本会で確認し、不備が無いことを確認できましたら、支給を決定します。決定後に「支給決定通知書」を送付します。
 3) 決定した支援内容に基づき、本会よりキャリア継続支援金を申請者に支給します。

② キャリア継続支援金の支給方法について

 1) 支払い方法は銀行振込とし、キャリア継続支援金の振込口座は原則特別研究員の研究奨励金、海外特別研究員の滞在費・研究活動費の振込口座と同一とします。
 2) 振り込みは一括入金とし、振り込み日は原則として毎月末頃とします。
 3) キャリア継続支援金が課税対象となる場合は、本会で源泉徴収の上支給します。(課税の取扱いは④を参照)

③ 本事業により、キャリア継続支援金を受給した者に対し、男女共同参画の推進に関するアンケートをお願いすることがあります。

④ キャリア継続支援金の課税について

 ・キャリア継続支援金は、税法上給与所得とみなされ、所得税及び住民税の課税対象となります。ただし、非居住者に該当する主要渡航中の特別研究員-CPD及び海外特別研究員は、日本国内では課税されません。なお、派遣先国において課税される場合があるため、各自において確認し、必要な手続を行ってください。
 ・海外特別研究員において、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置で帰国している場合は、所得税の課税対象となります。詳細はQ&Aをご確認下さい。

7. その他

・申請は1日単位とします。
・申請書記載事項に虚偽が認められた場合は、キャリア継続支援金の支給決定を直ちに取り消し、必要に応じて支給済みのキャリア継続支援金の返還等を求めます。
・特別研究員・海外特別研究員の資格の喪失により採用期間が終了した場合は、支給済みのキャリア継続支援金の返還要求を行うことがあります。
・キャリア継続支援金の支給後に、特別研究員・海外特別研究員の採用中断期間の変更、または特別研究員・海外特別研究員の採用期間の終了した場合など、支給の要件に該当しない期間が生じ、支給金額に変更が生じた場合は、返還の手続きが必要となります。申請者におかれては採用中断期間の変更や採用期間が終了、連絡先等の申請時の情報に変更が生じた場合には、速やかに本会「経営企画課 企画・評価係」に連絡してください。
・申請書類等に含まれる個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」及び本会の「保有個人情報等保護規程」に基づき厳重に管理し、日本学術振興会の業務遂行のみに利用(データの電算処理及び管理を外部の民間企業等に委託して行わせるための個人情報の提供を含む。)します。
・本事業の支給対象者本人以外からの申請は無効とします。

8. 本事業に関する連絡先

独立行政法人日本学術振興会 経営企画課 企画・評価係
電話: (03)3263- 0974 (ダイヤルイン) E-mail:gender<>jsps.go.jp(<>はアットマークへ置き換えてください。)
受付時間:月曜~金曜日(祝日を除く。)9:30~12:00及び13:00~17:00